飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

住宅の迷走続く。

七転び八起きと言えば、何度も挑戦する前向きの話のようですが・・・、今回の市営住宅に関する市の動きは、とてもそういう前向きの話ではありません。

事の発端は、3月議会に市営住宅への指定管理者制度の導入の議案が出されたこと。

その議案は、なんとも大胆なものでした。

極論すると、書いてあるのは「平成22年度から市営住宅指定管理者制度を導入します。そして市営住宅の修繕と管理とあと市長が認めたことは指定管理者にさせます」ということだけ。

どこの団地を任せるのか、市営住宅への入居者募集、家賃徴収、滞納家賃の督促など様々な仕事のどこまでを任せるのか、プライバシーの配慮はどうなされるのか、様々なことが全く明らかになっていない、なんとも不思議な議案です。

制度導入だけ議会は決めればいい、後は、市側で勝手に決めるから・・・とでも、言わんばかりの議案のように感じました。

そして、その大胆さからか、議会での迷走が始まります。

3月の議会では、「全国公募」と言っていたのが、5月には「民間業者には入居者が不安があるので都市施設管理公社(三セクです)にさせたい」と、がらりと方針が変わります。

また、3月議会では、「コスト削減については、職員2名程度の削減を図りたい。経費的には、平成21年度予算から、5%〜10%程度の経費削減を期待。」と答弁するも、私の「受ける会社は何人で業務を行うのか」との質問には「9人程度は必要」と答弁されています。

当然疑問なのは、市職員2名の人件費と受ける業者の9人の人件費との比較。
市職員2名の人件費>業者の9名の人件費???

おかしいのでは?と指摘していると、6月の委員会では「市職員は7名減らします。民間もしくは公社は7名でやっていきます。」と変わっていきます。

さらに、「約4400戸の市営住宅の全てを指定管理者にお任せしたい」と言われているのですが、他方では、公共施設の見直しの中で、今後の方針として「中小の団地は統廃合、老朽化したものは払い下げ」とあります。つまり片方では、「これ全部指定管理者に管理をお願いしますよ」と言いながら、片方では、「統廃合や払い下げしていきます」と言うのです。これもつじつまが合いません。

他にも、不思議なこと、つじつまの合わないことがいっぱい。

そもそも、指定管理者制度のメリットは、民間のノウハウを活かして、サービスの向上とコスト削減ができることにあったはず。

これが、非公募で都市施設管理公社,三セクにさせたいとなった時点で、なくなってしまいます。なんと、現在の都市施設管理公社は、住宅の管理のノウハウも実績もないのです。

福岡県内で、公営住宅指定管理者制度で行っているのは、県と福岡市・北九州市田川市だけ。この4つとも公社が受けていますが、元々、指定管理者制度がスタートする前から管理していた、いわばノウハウも実績もある自治体です。

それを、飯塚は、実績もノウハウもない三セクに新たに7名の職員を雇わせ、そこに4400戸もの市営住宅の管理を任せようというのです。

市営住宅の管理業務には、様々なプライバシーが絡んできます。入居者の家族構成・生年月日・収入ばかりか、生活保護の受給者かどうか、障がいを含めた身体の状況なども扱うことになります。

そんな業務を、ノウハウも実績もないところに任せる。
指定管理者制度の本末転倒と言わざるを得ません。

市側の提案が否決されることはほとんどないのですが、さすがにこの議案には、多くの議員の頭には???が点灯。今日の審議でも継続審議となりました。

さて、どうなることやら。。。このような議案を平気で出してくる神経が疑われます。

詳細を知りたい方は、ぜひ委員会記録をご覧ください。
5月12日分
 http://www.city.iizuka.lg.jp/giji/kaigiroku/21/koukyou21/pdf/210512koukyou.pdf

3月23日分
 http://www.city.iizuka.lg.jp/giji/kaigiroku/20/koukyou20/pdf/210323.pdf