飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

小泉龍司さん。

昨日の講義の中から一つ概要を紹介します。もちろん、以下は、私のメモをもとにしていることをご了承下さい♪

特別講座「日本の危機、民主党政権と財政・予算、財源」
講師:小泉龍司さん(衆議院議員・元大蔵官僚)


自民党政権の頃、霞ヶ関にいる1200人の本省の課長が役に立っていた。いわば本省の課長の数だけ日本国政府があった。ありとあらゆる地域のありとあらゆる分野の利害を受け止め、自民党が調整し、配分した。その中には、社会党さえあった。その結果、自民党の絶対得票率は30〜40%程度を叩き出していた。

しかし、1980年代の最後、89年にバブルが崩壊する。11月にベルリンの壁が壊され、12月29日、38950円という株の最高値。それが90年代に入り、株が下がり91年ソ連が崩壊、92年地価が下がりはじめ、93年細川内閣。90年代が日本の分かれ目だ。

安い労働力が西側に入り、それがワーキングプアを引き起こす。そして、中国の通貨「元」が大暴落するが、それは中国の輸出のための仕掛けだった。

90年代の構造変化のもう一つの様相は少子高齢化出生率はがくんと下がる。「人口統計があるから、成長が止まる」と言う人さえいる。不動産の需要が一世代たつと1つ減るのが現在。それが孫の時代になると、さらにもう一つ減る。2世代たつと4つの家が1つでよいとなる。となると、不動産屋をやっても儲からない。全てが1/2ゲームで減っていく。経営者の頭にたたき込まれている。これが90年代。

90年代に暴落した元、東から入ってきた安い労働力が日本の労働力のコストを相対的に引き上げた。しかし、国家戦略を考える議員もいなかったし、本省の課長にも気がつくものはいなかった。これが今回の政権交代の大本だ。

日米構造協議、内需拡大と言うが人が減るのに内需は拡大しない。錯覚がある。景気は一過性で良くなるがすぐにしぼむ、地方はどんどん疲弊する。そしてその不安感を的確に捉え、官僚が宛にならないことを見抜き、アメリカの市場原理主義に乗ったのが小泉純一郎だった。

サッチャーの時代にさかのぼれば、15年ほどの中古の馬を輸入して乗ったんだ。その「市場原理主義」は白馬の名馬に見えたが、実はトロイの木馬だった。役人が縦割りになっていた弊害が明らかになった90年代だった。

小泉は「官から民へ」、民主党は、「官から政治家へ」どちらも「官から政治」だ。しかし、どちらも出口に関する戦略がない。

スローガンにこれほど弱い国民、現実を見ない国民はない。構造改革、行政刷新、4文字熟語に弱いね。構造改革の表紙だけでなく、格差拡大、官から民へ。

開いたまま、机の横へ寄せただけの安倍と福田の2人の首相。麻生さんは閉じようとしたができなかった。手詰まり状態でオウンゴールで自滅した自民党

しかし、民主党自民党との平均的な得票は11万票対9万。2万票の差ならと言うが、簡単そうでそうではない。
関ヶ原の戦いを見ても、後ろから撃った小早川。そして、実際に戦う意志があったのは3万ずつだった。選挙でも、出陣式より万歳の時のほうが人が多いだろう。日本では、勝った方が増えるんだ。負けた方は山に逃げるしかない。そう考えると、自民党とつきあう団体の陳情を民主党は受けなくなるだろう。その時、どうなるか。公明党には申し訳ないが日本は同質の国民性。政党と言っても変わらない。

そして、自主投票となると公明党の1万票は動く。11万対9万が12万対8万となる。

しかし、民主党にも弱点がある。国家戦略の軸がない。一番強いのは選挙、次に強いのが財政、そして金融と為替、さらに支離滅裂の外交。為替には無力だった。金融も馬鹿にはできない。これだけ揺さぶられているのは金融。サブプライム つつみみかジャーナリスト 200万の所得しかない家庭に5千万貸すという銀行マン。不動産価格が上がるから大丈夫という。貧困ビジネス、世界的な詐欺だ。強盗に入られた家が強盗の家に行って対策を考えるなんて茶番だ。損した人がいれば、得した人がいる。金融を使ったトリック。ドル安に向けてシフトしていく。日本殺すのに刃物は要らない、為替レートでよい。会計制度もそうだ。EUはそれがイヤだからフランスとドイツさえ一緒になって基軸通貨を作った。東アジア共同体?東アジアでは元建てで動き始めた。いったん、元の使い勝手が良くなったら更に加速する。中国の戦略性。しかし鳩山さんはアカデミックな構想の世界でしかない。外交さえ事業仕分け。年が明けたら円高、新しいBIS規制。日本人は将棋しか知らない。でも途中からチェスになる。ルールを支配することによって勝負に勝つアングロサクソン。対して働くしか知らない農耕民族の日本。

民主党マニフェスト、しっかり読むと17兆の予算が必要だ。しかし、社会保障が毎年1兆円ずつ増えていくことが書いていない。埋蔵金の4.3兆は毎年、恒久財源として出てくる。なんだ?そんなことはありえない。

国家公務員の費用を2割削減すると言うことは、地方への仕事の転嫁だ。

今年度も来年度も50兆を超える国債発行。30兆といった小泉から数年でこんな状況。撤退戦をできるかどうか。戦略とは財政であり、金融為替政策であり外交だ。これが揺らいでいると国民がわかったときに政権が滅びる。

市場の失敗という言葉がある。お互いが禁じ手を使う。5.5兆の子ども手当。子ども未来財団のアンケートで一番苦しいのは何かと聞くと、時間であり預ける場所となる。1千万円以上になるとお金になる。子どもの格差を広げる可能性すらあるのに子ども手当。人口が減らないようにするための仕組みにすればよいのに。
(以上)


もちろん、その他にも山盛りのセミナーでした。
♪昨日のメニュー♪
講座2「新政権で地方分権は進むか」
 増田寛也さん(元岩手県知事・元総務大臣野村総研顧問)
特別講座「日本の危機、民主党政権と財政・予算、財源」
 小泉龍司さん(衆議院議員・元大蔵官僚)
講座3「頑張る地方現場 財政再建
 コーディネーター 福岡政行さん(白鴎大学教授)
 スピーカー 見城俊昭さん(大野城市職員)
       橋本悟志さん(長野県王滝村職員)
講座4「新政権と地方自治
 福岡政行さん(白鴎大学教授)

ウップ(^_^;)満腹です♪