飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

雇用と観光、どちらを取ったのか。(2)

昨日に続き、旧伊藤伝右衛門邸の臨時駐車場問題。昨日の市議会経済建設委員会で、市側はこの臨時駐車場を販売から一転、「駐車場として当分の間利用していく」との方針を示し、「雇用より観光」を取った。

しかし、現在の齊藤市長が、合併直後の1期目の市長選に際して、大きく訴えたのは、「産業活性化 トップセールスにまい進 30年の企業経営の手腕と人脈を活かして産業を「経営者」斉藤守史が活性化させます。」ということだった。
「雇用確保」のため「企業誘致」を行う、そのために、「トップセールス」を行っていくということだ。
そしてマニフェストには、「福岡県の施策(北部九州自動車産業100万台構想)に則った自動車関連産業等の誘致及び人材育成」であり、財源は10億円を分譲代金でまかなうとあり、このマニフェストを実現するために造られたのが、鯰田工業団地であり、併せて既存の工業団地が販売された。

この企業誘致を重視する姿勢は、齊藤市長の2期目の選挙においても変わっていない。2期目の選挙の際のマニフェストにおいても、経済活性化策の優先順位の第1にあるのは、「新産業創出・企業誘致」だ。

だが、この方針は、飯塚市幸袋では違うようだ。2月8日の経済建設委員会の記録では、30名の雇用を予定しているディスカウントストアのダイレックス(親会社はサンドラッグ)が市に申込をしたいと言っているが、まだ受け付けてもらえないという。

なぜか?というと、これがまた・・・あきれてしまう。。。
ちょっと委員会における市の答弁の一部を紹介しよう。
「いわゆる商業施設につきましては、やはり物を売ってなりわいをされる業種でありますんで、私どもがこの用地の鑑定評価につきましては工業地域ということで鑑定評価をお願いいたしております。商業地として売却する折に、その単価で見合うものかどうかということについては、まだ庁内で議論をいたしておりません。
 そういったこともございまして、過去にお断りをした企業さんもいくつかあるということから、今回、その企業さんについてわかりましたというわけには簡単にはいきませんよというご説明も差し上げたところであります。
 でありますので、商業を目的とした企業さんにその土地を売却するということにつきましては、いま委員からいろいろご質問の出ております転貸し等の問題も含めまして、今後私どもとしても十分検討するとともに、用途地域の制限の問題もございますんで、都市計画法上、この際全部そうした制限を取っ払ってしまって、広く門戸を広げた分譲を進めていくのかということにつきましては、行政内部で関係各課とも密に連携をとりながら協議してまいりたいというふうに考えているところです。
 でありますから、いまご指摘のあっております個別の問題点等につきましては、ご質問の内容については一つ一つ整理をしながら、ご返事、ご回答していきたいというふうに考えているところです。」

意味分かります?かいつまんで言うと、(1)研究開発型の企業に売るつもりなので、工業地域として、地価を鑑定してもらっている。だから商業地として売るなら、いくらが良いのか検討しなくちゃならない。(2)過去に買いたいという申込を断ったこともあり、簡単に良いよとは言えない。(3)転貸し禁止なので、今回の申込が転貸しにあたるかどうかも検討しなくちゃならない。(4)この場所に何を建てて良いかを決めている都市計画法上の用途地域の制限の見直しも協議しなくちゃならない。ということだそうだ。

でもね。平成11年に研究開発型企業以外にも売るという決断をした時に、何ならダメ、いくらということはちゃんと決めてないとね。今は、平成24年ですよ。24年。10年一昔どころか、このリサーチパークを造成し始めて20年がたつんですよ。民間の不動産会社だったらもちろん倒産もありえるし、担当者も相当の責任を取らされているでしょう。このスピード感のなさが、お役所仕事と言われるところだ。

そんなこんな言い訳のパレードの後だったが、2月8日の時点では、副市長は、「過去にも報告では、いろいろな商業系のそういうスーパー系の引き合いもあったようです。ですから、今回これを売るとすれば、単価の見直しをまず1点やるということと、過去に何社かお断りをしておりますので、そういう方にも広く情報を流して公募という形でひとつ売却の方向で検討してみたいと。結論につきましては、今月いっぱいに出したいというふうに思っております。」と言い、売却のために検討を進めることを表明していた。

しかし・・・繰り返すが、昨日の市議会経済建設委員会で、市側は販売から一転、「駐車場として当分の間利用していく」との方針を示し、「雇用より観光」を取った。

次回は、この決断の際の市の内部文書をご紹介したい。

〜続く〜