今日はこれ。湯浅誠さんの講演会です。
で、年越し派遣村って覚えてますか?
数年前にかなり話題になったんですが、その時にメディアに良く出てたのが、今日の講演会の講師、湯浅誠さん。その後、内閣府参与?だったかにもなられて、貧困問題に尽力されています。
今回の講演会は、(NPO法人)人権ネットいいづかの啓発事業で、事業の主催は、ポスターにあるように人権ネットいいづかと飯塚市。人権ネットいいづかのホームページによると、「この法人は、地域住民に対して、部落の完全解放・人権確立をめざす様々な事業を行い、地域社会に寄与することを目的とします。」とあります。
人権ネットいいづか → http://jinken-iizuka.jp/
この人権ネットいいづかへは、飯塚市から人権同和問題啓発事業として多額の委託金が支払われています。予算額は4680万円。予算委員会での答弁によると、その内訳は、NPOの指導員13名分の賃金約3596万円、共済費約544万円、消耗品費等諸経費120万円、啓発講演会等の事業費約197万円、プラス消費税223万円の合計4680万円だそうです。
24年度まで随意契約で行われており、今年度も随意契約の予定だとか。この委託金のあり方については議論がありますが、今回の事業そのものについては、非常に参考になるものでした。関係者の皆様に感謝申し上げます。
で、おもいっきり短くすると湯浅さんの話は、以下のようなことだったと受け止めています。
人権と地域活性化は、両立する。去年、3万人が自殺した。他方、他殺は、年間600人程度だし、交通事故死は、去年4600人程度だ。交通事故だと、被害者の遺族は、加害者に損害賠償を請求するけど、その損害賠償額の算定は逸失利益で行う。死ななかったら、産み出すはずだった利益=「逸失利益」だ。では、自殺で亡くなった3万人が生きていたら、どれくらいの逸失利益があるかと言うと、2.7兆円という試算がある。今年の春にTPP参加を決めた時に、政府がどれだけ儲かるか試算したのが10年で3兆円。オリンピックが東京に決まり、このオリンピックで生まれるという経済効果は3兆円。この数字から見るとわかるように、落ち込んでいる人を切り捨てるのではなく、ケアした方が社会全体として経済面としても有効だ。自分のことばかりではなく、人のことも大切にしよう。そのことが地域の活性化に繋がる
また、話の中で、まちづくりや男女共同参画といった点についても言及されています。もう一度、お話を聞いてみたいと思わせるあっという間に1時間半でした。湯浅さん、新しい気づきをありがとう。