飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

庁舎建設はいくらかかる? 〜5月28日開催庁舎建設特別委員会報告〜


まずは、委員会の前日、5月27日付けの日経新聞電子版の抜粋をご一読下さい。
〜〜〜以下抜粋〜〜〜

2020年の東京五輪を控えて建設需要が高まり、建設費の高騰と人手不足が続く影響で、公共施設の建設を五輪の後に先送りする自治体が出てきた。千葉県木更津市、東京都豊島区などは古くなった公共施設の建て替えなどを五輪後に延期する。建設費の高騰が続くと、行政サービスへの影響は全国に広がる可能性がある。

 木更津市は新市庁舎への移転を当初の16年から24年に延ばす。4月に予定していた入札では、事業者が見込む事業費が市の予定価格を大きく上回り事業者が参加を辞退。市は入札を取りやめた。計画を見直したところ、仮庁舎への移転費用も含めた総事業費は現行計画よりも41億円も多い172億円に膨らんだ。

 市は五輪後に建設需要が落ち着き労務・資材費が下がるとの前提で(1)計画通り建設(2)規模を縮小して建設(3)五輪後に先延ばしして建設――の3つの案で費用を改めて試算。総事業費が131億円と最も安くすむ先延ばし案を採用した。

 現庁舎は築40年以上が経過し、東日本大震災後には耐震性能の不足も明らかになった。大規模災害に備え新庁舎が完成するまでの約10年間、仮庁舎を使う。

 東京都豊島区も大型複合施設の建設計画を20年前後まで凍結する方針を決めた。当初の総事業費は45億円で区民事務所や図書館、郷土資料館などを組み合わせる。2回入札が成立せず、建設費を再計算したところ、64億円弱と当初計画より4割も高くなった。

〜〜〜抜粋終わり〜〜〜

飯塚市も新庁舎を建設する予定にしており、今の庁舎の1.4倍の広さの8階建ての庁舎、金額にすると利子を含んで106億円強の計画を立てています。
私は、この106億円の新庁舎の計画は大きすぎるし、これからの仕事の仕方を十分考慮していないので見直すべきだと考えています。


しかし、そうは言っても、市長の考えや議会内の動きを見ると、このまま計画通りの新庁舎建設へ進むことも十分考えられます。
今回の委員会でも、その予定での報告があっており、その中では、9月議会に関連予算の提出を予定していること、庁舎別館の解体工事も9月下旬前後から始めることなどが報告されています。(上記写真参照:委員会に提出された資料です)


しかし、記事にあるように建設コストが上がっているのは事実。


他方、飯塚市のシミュレーション(財政見通し)では、庁舎建設の他、学校整備、水害対策等々の大型公共事業の総額は、合併特例債の上限を若干ですが超える予定。
各工事の入札で、少しずつは見込みより残額が出て来るという前提で計画が組まれているのです。また、このシミュレーションは、24年の年末に出されたものであり、今回の建設コストの高騰は考慮していません。


じゃあ、今の状況の中では、このまま建設に進んで良いでしょうか?
最低でも、現状に合わせて、試算をやり直して、財政状況が大丈夫かどうかを確認しないと怖くてなりません。


で、その試算のやり直しをやっているかどうか、12月の一般質問、2月の庁舎建設特別委員会でも確認しましたが、まだやっていないとの答弁でした。


今回の委員会では、改めて、そういったことを考えると、飯塚の新庁舎は果たしていくらかかるのか、厳しい財政事情の中で、そのコストアップが許されるのかといった点を中心に質問を行いました。


しかし、市側は、今回も「試算の見直しはやっていない」とのこと。「だったら、当然のことながら建設予算を出す前にその試算見直しをしないと議会としては判断できないよ。次回委員会でも良いのでちゃんと出すべき。」と述べています。


財務部長からは、「26年度決算が出たあとには試算のやり直しが可能。」という発言もありましたが、それでは当然遅すぎます。


一部を解体して、それから財源がないことが分かっても、「時すでにおそし」です。
そうなる前に、きちんと財政状況の確認をしなくてはなりません。


市民から預かる大切なお金。その使い道をしっかりチェックしていきます。