飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

児童虐待への対応は大丈夫か? 要保護児童連絡協議会の会議に部外者が参加していた!?

今日の決算委員会では、マイホーム取得助成金児童虐待について主に質疑。
その中で見えてきたびっくりの事実を一つ。
児童虐待の対応を検討する組織「要保護児童対策地域協議会」(飯塚市では「要保護児童連絡協議会」と言います)の中には、個別のケースについて実務者などが検討するケース会議というものがあるのですが、このケース会議に、構成員でない方、言わば部外者が入っていたことが担当課の答弁で分かったのです。


同僚議員と提案した児童虐待防止条例「飯塚市の子どもをみんなで守る条例」では、第4章で要保護児童対策地域協議会(飯塚市では「要保護児童連絡協議会」と言います)を次のように書いています。

第4章 要保護児童対策地域協議会
 (設置)
第27条 児童福祉法(昭和22年法律第164号)第6条の3第8項の規定による要保護児童及び同条第5項の規定による要支援児童等(以下「要保護児童等」という。)の早期発見並びに適切な保護及び支援を図るため、同法第25条の2第1項の規定に基づき、飯塚市要保護児童対策地域協議会(以下「協議会」という。)を設置する。
 (所掌事務)
第28条 協議会は、次に掲げる事項について協議する。
(1) 要保護児童等に対する保護及び支援等に関すること。
(2) 年次計画、早期発見対応指針及び保護支援指針の策定及び変更に関すること。
(3) 児童虐待に関する研修並びに広報活動及び啓発活動の推進に関すること。
(4) 児童の死亡事例等の検証に関すること。
(5) 児童虐待の防止等を推進するために必要な活動及び体制整備の促進に関すること。
 (代表者会議)
第29条 協議会に、市及び関係機関の代表者等から構成される代表者会議を置く。
2 代表者会議の委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 子どもの福祉に関する団体が推薦する者
(2) 子どもの権利の擁護に関する団体が推薦する者
(3) 教育に関する団体が推薦する者
(4) 医療に関する団体が推薦する者
(5) 子育て支援団体が推薦する者
(6) 市議会が推薦する者
(7) 市職員
(8) その他市長が必要と認める者
3 代表者会議の委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
 (事務局)
第30条 協議会の円滑な運営を図るため、事務局を置く。
 (実務者会議等の設置)
第31条 協議会に実務者会議、個別ケース検討会議及び検証部会を置く。
2 地域での児童虐待の防止等の取組を進めるため、実務者会議に、地域部会を設置するよう努めるものとする。

簡単に説明をしますね。
まず、第27条では設置の根拠を述べています。

次の第28条では、この協議会では、次の仕事をしますということ。現在の協議会との大きな違いは、
(2)年次計画、早期発見対応指針及び保護支援指針の策定及び変更に関すること。
(4)児童の死亡事例等の検証に関すること。
の2点。
現在の協議会は現在起きている虐待への対応に追われている状況にあり、予防のためにどうするのかと言った協議はほとんど出来ていません。そのことは、決算委員会に提出してもらった会議録を見ても明らかです。
この点を、今回の条例では、年次計画、早期発見対応指針及び保護支援指針を定めながら対応する事としており、その策定変更をこの協議会で十分検討することとしています。
また、虐待事例の検証についても、児童虐待防止法自治体の責務となっていますが、不十分であると判断し、この協議会の役割と明記しています。

第29条では、この協議会の代表者会議の構成者に関する部分。今までの代表者会議の委員に加え、新たに(5)子育て支援団体が推薦する者と(6)市議会が推薦する者を構成員とすることとしています。
これは、増え続けている虐待に対応し、予防に力を入れるために、提案しました。

第30条では、担当課である子育て支援課だけでは、この協議会の運営を行うのは厳しいと判断し、一緒に方向性を協議する幹事会のようなものとして、事務局を設置し、円滑な運営を図ることとしました。
市役所内では教育委員会や保健センター、外部では警察や児童相談所、拠点病院などの中で、参加していただけるところと一緒に事務局を作っていただければと考えています。

第31条では、今ある実務者会議、個別ケース検討会議に加え、検証部会をつくること、また地域での児童虐待の防止等の取組を進めるため、実務者会議の中に地域部会を設置するよう努力義務を定めました。
この地域部会は、今回の条例の虐待防止の仕掛けとして大きなものです。
まちづくり協議会のように、地域で虐待を防止する仕組みを作っていくべきだと考えています。例えば、地域の交番、病院、幼稚園、保育園、小学校、中学校、主任児童委員、PTAや学童の先生、子育て支援団体、そんな方々で、地域の子ども達を守ることを考えていただければ、虐待防止に大きく役立つと考えています。



このような私どもの提案に対し、市側は、「現在の要保護児童連絡協議会で充分対応できている。」と言い、「条例で要保護児童連絡協議会について定めて欲しくない」と言ってきました。

また、個人情報の漏洩が心配!として、情報共有を定めた部分にも反対の意志を示していました。

そんなに大切な個人情報をあつかうケース会議に部外者が入っているってどういうこと???

持ち時間が僅かだったこともあり、詰められませんでしたが、どうやら要保護児童連絡協議会の運営には問題がありそうです。

そんなことも、実際に入っていれば、もっと早期に分かって、対応を求めることも出来たはず。

逆に、そう言われたくないから議会や子育て支援団体が入ることを嫌っているのかとさえ、思わずにはいられません。

私たちは、提案した条例の題名通り、飯塚市の子どもをみんなで守ろうと思っているだけ。そのためにこの組織を強くする必要があると思っていますし、私たちも役に立ちたいと思っています。

自治体の事例を見ても、条例で要保護児童対策地域協議会について決めているところも多くありますし、実際に子育て支援団体が入っている自治体も多くあります。議会が入った事例は見つけていませんが、公募の市民が入っている事例(草津市! 草津市要保護児童対策地域協議会運営規則)もあります。

厚生労働省の指針を見ても、ボランティアまで想定されています。

出来ることは全部やる。そんな心意気で、虐待防止に向かって行って欲しいものです。
そんな提案中の条例案は25日の委員会で再度審議されます。コチラの行方もご注目下さい。