飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

学校や保育園での次亜塩素酸水の噴霧は、安全性と有効性が確認されるまで、再開すべきでない。

6月2日

そう、この問題に取り組むこととなったのは、6月2日(火)のこと。
ある方からのSOSがきっかけだった。
「コロナ対策でソリューション・ウォーターってのが設置されるのがバタバタ決まったみたいなんです。消毒液を噴霧するって言うんですが、説明会での説明もなんか自信なさげだったみたいだし、安全なのかという質問もあったりと、大丈夫なのか不安。正直困惑しています!」

 

これを受けて調べると、ソリューション・ウォーターってどうやら「次亜塩素酸水」。

 

あれ? 次亜塩素酸水を造る機械を購入する予算は、議会の承認をすっとばして、市長が専決処分で決めたのは聞いてたけど、噴霧する機械の予算なんて聞いてないぞ?と疑問が。

下の写真は、4月28日の専決処分された補正予算の資料の一部。このように、消毒液生成装置購入費はあるが、噴霧器?霧化器らしきものは予算書には見当たらない。

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ん???

そして、更にびっくりしたのが、こんな記事が。
■次亜塩素酸水 噴霧使用は控えて|NHK 首都圏のニュース(今は下の記事に差し替えされています)

 →

www3.nhk.or.jp


■
消毒液噴霧で「空間除菌」は根拠なし 国「推奨しない」:朝日新聞デジタル

 →

www.asahi.com

 

え〜っ、ホント大丈夫???と頭の中に?マークがひらひらと。

 

そして、ニュースにある経済産業省がまとめた資料等を見ると、新型コロナウイルス感染症関連の報道でおなじみ、世界保健機関(WHO)や米国疾病予防管理センター(CDC)の他にも、中国国家衛生健康委員会の見解が書かれており、どれも、空間噴霧について否定的。

その資料がコチラ。アップデートされているが、WHOなどの指摘についてはそのまま書かれている。良ければ確認して欲しい。

 経済産業省発表ファクトシート 

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そして、次亜塩素酸水そのものが新型コロナウイルス感染症の消毒に有効かどうか、今は調べてる途中とのこと。

 

で、更に調べると、次のようなことも分かった。

 

文科省が次亜塩素酸水の噴霧を推奨しているか】
していない。
学校再開ガイドラインには以下のような記述があるだけ。噴霧等の特段の記述はない。
「また,学校医及び学校薬剤師などと連携した保健管理体制を整え,教室やトイレなど児童生徒等が利用する場所のうち,特に多くの児童生徒等が手を触れる箇所(ドアノブ,手すり,スイッチなど)は,適宜,消毒液(消毒用エタノール次亜塩素酸ナトリウム等)を使用して清掃を行うなどして環境衛生を良好に保つ。 」

 学校再開ガイドライン → https://www.mext.go.jp/content/000048155.pdf

 

厚労省が次亜塩素酸水の噴霧を推奨しているか】
していない。
社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(令和2年3月6日 厚労省事務連絡 )抜粋 
「なお、次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。トイレのドアノブや取手等は、消毒用エタノールで清拭する。」
 → https://www.mhlw.go.jp/content/000605425.pdf

社会福祉施設等における感染拡大防止のための留意点について(令和2年3月6日付事務連絡)」に関するQ&Aについて(令和2年3月16日付事務連絡)抜粋
問1 消毒に関し「次亜塩素酸を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。」とあるが、本事務連絡上は、消毒薬として示されている次亜塩素酸ナトリウム液に係る 注意事項であると考えてよいか。
(答)
貴見のとおり。 なお、本事務連絡は、新型コロナウイルス感染症への対応に係る留意点として、社会福祉施設等で実施する消毒方法等をまとめたものであり、次亜塩素酸水を用いた市販の製品等の安全性等に言及するものではない。 また、消毒については、本事務連絡では清拭することとしていることに留意すること。
 → https://www.mhlw.go.jp/content/000608916.pdf

 

だったら、その安全性・有効性が確認されるまで使うのやめないとじゃね??

 

というわけで、6月2日から、かなりの時間をこの問題に費やしてきた。

 

翌日の6月3日には、次亜塩素酸水を造る機械を購入する環境整備課から話をお聞きし、その後に、噴霧器を使う予定の学校教育課、子育て支援課と続けて相談。

 


学校教育課も子育て支援課も安全性については心配している様子で、「人がいる中での噴霧は一旦中止して、放課後や業務終了後に噴霧する方向です」とのこと。

 

いやいや、ちょっと違うでしょと思いながら、「消毒のために拭くのに使うのは問題ないと思う。しかし、噴霧は別、NITE(経産省所管の団体)からあのようなペーパーが出てて、文科省厚労省も次亜塩素酸水の噴霧を推奨していない状況を考えると、安全が確認されるまでは放課後や終業後であっても使用を控えるべき」と伝えて、この日の行政との協議は終了。

 

並行して、アラートとしてSNSに投稿。


SNSを見た教師や保護者より、心配する電話なども入る。



6月4日
この日は6月議会の初日。開会前の時間に、環境整備課から「次亜塩素酸ナトリウムPH調整水の空間噴霧等に係る有効性・安全性について」とのメールが来るも、メーカーの資料があるだけで公的機関での確認については示されなかった。

 

このままではまずいと、本会議終了後に、保健部門を担当する市民協働部の部長兼コロナ対策室長へ、「安全が確認されるまで噴霧は中止していただきたい」、「行政アドバイザーに相談したのか確認してください。で、されていなかったらやっていただけませんか。」と申し入れ。

 

また、既知の医師などに相談するとともに、コロナ対策室長には、医師等へ相談した内容を提供し、行政アドバイザーに確認して頂く材料に使って頂いても結構ですと伝える。

 

さらに、 実際のソリューションウォーターの成分はどうなの?危ないモノが入っていないのか心配という話があり、成分分析ができないか、保健所に相談。しかし、保健所では持ち込み検査は行っていないとのことで、水質検査機関などを紹介して頂く。


この日の時点で、既知の医師数名などからいずれも否定的なコメントを頂く。

 

6月5日

 昨日、紹介頂いた水質検査機関など10数社に成分分析できないか問い合わせ。しかし、これこれの規格を満たしているかといった試験はできるが、その他に何が入っているかという調査はいずれもやっていないと。残念。。。

 

 そんなこんなしている中、噴霧が中止になったという情報が!

 

 さっそく、教委等に確認すると「6月4日付けでの文科省の通知があり、中止にする。既に各学校へは電話連絡をしており、今、通知文書を作成中」とのこと!

とりあえず、良かったと相談してこられた方や相談させて頂いた方々へ連絡し、これで一件落着。となるはずだった!!

 

しかし・・・続く・・・となった!!!

この続きはまた後日。



で、この問題に関する6月16日の市議会での一般質問の様子はコチラから。


私の一般質問全体の様子は、コチラから 

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