飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

12月議会最終日。

今日は、12月議会の最終日。本会議が開かれました。その中では、注目のコスモスコモン(飯塚市文化会館)の指定管理者の指定議決議案は賛成14人に対し、反対17人で否決されています。

私は、様々な角度からこの問題を考え、今回は否決すべきと結論を出し、討論の上、反対しています。

実際の討論とは、ちょっと違いますが、その原稿を披露します。



指定議案に対し、討論を行います。
まず、思い起こして頂きたいのは、この議案がなぜにここまで混迷を深めたかであります。
当初、合併前の平成17年、指定管理者制度がこの文化会館に導入されました。

この指定管理者制度とは、皆様ご存じのように、公共施設を運営を全面的に民間事業者に任せると言う仕組みであり、その本質は、民間事業者の優れた点、ノウハウを公共施設の運営に活かすというものです。

その際、行政の説明は、「当初の2年間は、教育文化振興事業団が競争力をつけるための期間として公募せずに教育文化振興事業団に管理を任せるが、3年目からは公募にて管理者を決定する」ということでした。

より良いサービスをより安価に。「官から民」の流れの中での指定管理者制度であり、私ども議会も、この文化会館については、同様なホールの運営について、民間事業者を含め、教育文化振興事業団のような第三セクターもノウハウを蓄積しており、導入が適当と判断し、条例改正に賛成いたしました。
その文化会館が、2年後の平成19年、公募の時期を迎え、厳しい現状にさらされます。

その選定に事業団が落選、東京の民間事業者を中心とする団体が選定されました。

そして、その団体をという提案に対し、ご存じのように、大きな論争が巻き起こります。事業団を残すべきだ。選定委員に文化に精通した方がおられない。選定過程が不透明。地域の団体からは要望書が提出され、物議を醸したこともあります。

そして、議会では、指定管理者の指定を否決。行政は、再提案することなく、1年の直営ののちの再公募を選択。条例改正を行います。

しかし、その後、再公募の方針を一転。行政は、公募せずに教育文化振興事業団を指定管理者とするという方向を発表します。

ところが、議会や市民からの反発があったせいか、この非公募という発表も変更され、再度、公募するということになります。

その公募という方針の中でも、応募資格等についての議論が、議会・市民・行政の中で公式非公式に繰り広げられます。

この中で、私ども議会は、行政に対し、色々な問題提起を行いました。教育文化振興事業団をどう取り扱うのか、応募できる団体について、地域限定をつけるかどうかなどの制約が加えるのか。公募の期間をどうするのか。選定委員をどうするのか、選定過程の公開をどうするのか。指定管理者の指定議案の提出時期を早めるべきではないか。

そのような問題提起に対し、十分な議論はなされていないように感じています。

そして、混迷を更に深めたのが、直営期間の延長であります。

指定管理者の指定議案を否決され、1年だけということを何度も確認した中での1年の直営だったはずが、更に1年延長となります。

そして、当初の提案時期だった9月議会には、提案されず、今回の12月議会への提案となりました。

そして、先ほど委員長報告にあったように、委員会では否決であります。

私もこの議案に対し、しっかり向き合うため委員会を傍聴させて頂きました。5時間近くにわたり、様々な議論が交わされました。

その議論の中では賛成できるものも賛成できないものもありましたが私のこの議案に対する判断に参考になったものも複数ございました。委員よりの資料要求の中で、指定管理者に名乗りを上げた各団体からの提案書も提出されています。他方、選考委員会の議事録は非公開であります。

委員からは、「選定過程がわからなくて可決しろと言うことは、慎重に審議してくれと言うことと相反する。」という指摘もありました。

その議論に際し、当初、市側から提出された資料は議案書にあるものだけ。なんと2Pだけというびっくりする有様であります。

説明責任というものは、果たされていないと言わざるを得ません。

その点もあり、委員会では,否決となったと思います。

そして、この本会議でも二分する状況にあります。

議会とは何か。指定管理者制度において議会の果たすべき役割は何か。

この問題は、なぜここまで大きな問題となったのでしょうか。

私は、指定管理者の指定に際しては、公募され委員会が審議した結果のみを見るのではなく、そのプロセス全体、公募の条件、公募の方法、公募の時期など全てを評価し、判断すべきと考えました。そして、その前に、コスモスコモンとはどうあるべきか、飯塚市の文化行政とはどうあるべきかを含め、しっかりとした議論と納得が必要です。

議会は、可決ありきの場ではありません。出された議案が可決するのに相当のものかどうか、しっかり見極め、判断する場です。

一旦、選ばれた業者にさせておいて、つまらなかったら5年後変えればよいと言う意見の方もおられます。しかし、しっかりとした説明責任と議論が議会には必要です。

費用が適正かどうか、例えば図書館の指定管理者の選定においては、金額が安い業者ではなく、提案が優れていた業者が選ばれています。

安価だから良いというわけではありません。

この議場にも、この決定に対し疑問を感じている方がおられることでしょう。わからないけど市が選んだから、選定委員会が選んだからではなく、飯塚の文化の中心となる施設を5年間任せるに足る業者かどうか、その選定過程全体が正しかったかどうかをしっかり確かめた上で、納得して判断すべきです。

我々議会は、市民からの負託を受けています。だからこそ、厳しいチェックをすべきです。

そう考えたとき、今回の指定管理者の指定議案に対しては、その方針が二転三転したこと、説明会が公募期間の最終段階で行われたこと(7月1日から8月31日までの公募に対し、説明会は8月18日)、僅差の決定であり提案書を見ても委員会の判断基準がわからないのにその説明資料となる会議録が公開されていないこと、プレゼンテーションが評価にどう反映しているかわからないこと、委員会が委員ひとりひとりの採点を合計して判断するのではなく委員全員で採点していること、そして、なにより、しっかりとした議論が公募の前に行われていないこと。

以上の理由により、私は、議案第146号指定管理者の指定議決、飯塚市文化会館について反対とします。




以上が、私の討論の原稿です。これをベースに討論を行い反対しました。
これからどうなるの?どうしたらいいと思っているん?と言われますが、改めて公募の前の議論からやり直し、議会や文化関係者などを協議をしっかり行い、コスモスコモンにふさわしいあり方を合意した上で、どうするかを決めるべきだと考えています。

色々なご意見があることでしょう。皆様のご意見をお待ちしています。