今日の新聞には、古賀市で生後2ヶ月の乳児が死亡した件で、父親が殺人容疑で逮捕されたという記事がありました。死亡の原因は、急性硬膜下血腫。記事では激しく揺さぶり殺害したとあります。いわゆる「乳幼児揺さぶられ症候群(Shaken Baby Syndrome)」です。この乳幼児揺さぶられ症候群については、冤罪のケースがあるとの指摘もあったりしますので、ここでは、この記事の紹介にとどめたいと思います。
さて、今日は、前回からチョットあきましたが、「飯塚市の子どもをみんなで守る条例」の第2章をお届けします。
第2章 児童虐待の予防のための子育て支援
(子育てをするために必要と思われる情報の提供)
第13条 市は、子育て家庭及び地域の人々に対して、子育てをするために必要と思われる情報の提供を行うものとする。
(子育て家庭に対する支援)
第14条 市は、子育て家庭に対して、相談支援、訪問支援等必要な支援を行うものとする。
2 前項の支援に際しては、栄養、衣類、住居及び教育に関して、特に配慮しなくてはならない。
(団体に対する支援)
第15条 市は、地域における子育て家庭を支援するための事業を促進するため、当該事業を行う団体に対して、子育て支援に関する専門的な知識の提供その他必要な支援を行うものとする。
(地域における子育て支援の取組)
第16条 市内において子育て支援に関する活動を行う団体(以下「子育て支援団体」という。)は、関係機関等と連携し、保護者に対して、子育てに関する情報を積極的に提供する等地域における子育て支援に努めなければならない。
2 子育て支援団体は、地域と連携し、子育ての負担感の軽減を図るため、保護者に対して、保護者同士がその子どもとともに交流することができる機会の提供に努めなければならない。
3 市及び市民等は、地域において、子どもが安全に安心して過ごすことができるよう子どもの居場所づくりに努めなければならない。
簡単に紹介していきますね。
まず、この第2章は、第4条第1号であった基本方針の一つ、児童虐待の予防には子育て家庭を支えることが大切ですよね。地域と行政が一緒に子育て家庭を支援していきましょうということを4条に分けて書いています。
第13条では、市は、子育て支援の情報提供をまずやりましょうということ。何事も知ることから始まりますよね。そして知るには情報が適切に提供されなくてはなりません。その情報提供は市の仕事ですよ〜ということです。
第14条では、子育て家庭に対して、必要な支援を行いますということです。そして、その支援を考える時に、栄養、衣類、住居及び教育に関して特に配慮が必要と書いています。これな〜にと思われる方も多いでしょう。例えば、ネグレクトで食事を十分に与えられずに年齢不相応な身長体重の子どもがいるかもしれません。それが「栄養」。例えば、同じ服を何日も着ていて異臭のする不潔な子どもがいるかもしれません。これが「衣類」。例えば、ゴミ屋敷に住んでいる子どもがいるかもしれません。これが「住居」。例えば、学校に行きたいのに親に行くなと言われて何日も学校に来ていない子どもがいるかもしれません。これが「教育」。今の例え話が全てではありませんが、このような子どもがいたら、環境を変えるよう特に支援するようにしましょうということです。
この2項に関しては、児童の権利に関する条約を参考にさせていただきました。また、この2項にある「教育」は、最初は入ってなかったんですが、田川の児童相談所に訪問してお話をさせていただく中で、「やっぱり虐待の連鎖を防ぐために教育が大切なんですよね」という話がありました。この教育が大切ということは、その他のところででもお聞きしましたので、教育に関しても特に配慮すべきだというふうなことで、後で入れるようにしました。
この第14条でしっかり書きたかったのは、訪問して相談に乗ったり、アドバイスするだけでなく、必要な支援をしようと言うこと。例えば、ゴミ屋敷。今、飯塚市では、ひとり親家庭や保護家庭では、ゴミ屋敷への対応はなんとかできることはありますが、そうでない家庭の場合は、アドバイスや相談だけにとどまっています。
でも、ゴミ屋敷に対して、他の自治体では、ヘルパーを派遣して、保護者と一緒に片付けながら、どう家事をすれば良いかアドバイスしているところがあります。
そこまできちんとやりましょうということです。
第15条は団体に対する支援です。地域での子育て家庭を支援する取り組みを支援、促進するために、市として、そういった団体に対して、専門的な知識の提供その他必要な支援をやりますというのが15条です。
第16条第1項では、地域における子育て支援取り組みとして、子育て支援団体は、関係機関等と連携して、ぜひ、情報を積極的に提供したり、いろんな活動をやってくださいということ。第2項では地域と連携して、保護者同士が子どもとともに交流する場をつくってくださいということ。第3項では、子どもが安全に安心して過ごすことができるような居場所を市と市民が一緒につくってくださいということです。
この4条の中で一番力が入っているのは、もちろん第14条。最初は、貧困が虐待の要因となることが多いことから、第1項に経済的支援を書き込もうかという話をしていましたが、お金もらえると誤解されても困るのでは?というご意見も頂く中で、実際の虐待の現れに着目しようと言うことで、今の2項となりました。
第3章以降は、また後日に。