飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

市議会臨時会、もう一つの討論。コロナ対策と議会。

木曜日閉会した、令和2年第2回飯塚市議会臨時会。体育館の議案での討論だけでなく、もう一つ、討論をしました。それは、コロナ関連の補正予算について。
今日は、その討論原稿を紹介します。

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私は、議案第54号 令和2年度 飯塚市一般会計補正予算(第3号)、61号専決処分の承認(令和2年度 飯塚市一般会計補正予算(第1号))、62号専決処分の承認(令和2年度 飯塚市一般会計補正予算(第2号))について、賛成の立場ではありますが、3点のみ意見を述べさせて頂きます。

 

まず、1点目は、補正予算の専決処分についてです。
市長が議会に提案し、議会の議決を持って決めるべき事を市長限りで決めてしまう専決処分について定めた地方自治法179条は、平成18年に改正されています。
その改正内容は、「議会を招集する暇がないと認めるとき」を「議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため議会を招集する時間的余裕がないことが明らかであると認めるとき」に改め、緊急性の要件を明確にしたものです。

 

議会は、様々な市民の意見を行政の執行に反映させる大切な場です。だからこそ、GWの前後を中心に、コロナ関連の独自支援の議案を審議した臨時議会は多く開かれておりますし、県議会もGWの中に開かれています。私たち飯塚市議会もGWの最中に開かれても喜んで対応させて頂いたと確信しています。
この専決処分については慎重にして頂きたいと申し述べておきます。

 

 

次に、雇用確保の点であります。
4月28日に発表された市の支援策の中に、再就職応援事業として、今回の新型コロナウイルス感染症の影響により働き場所を失った方を10名雇用するという事業がありました。これは、専決処分された議案61号の補正予算の中に含まれています。

 

これ4月24日の全員協議会でお聞きしたときに、申し訳ないですが、え~っと思ってしまったんです。さすがに少ない。少なすぎると思っています。

 

今回、提案されている補正予算第3号、議案54号の中に、同じように、コロナの影響により働き場所を失った市民や学生を雇用する緊急雇用創出事業があり、19人を予定しているということ、そして、月曜日の質疑の中で、これからも増やしていきたいと言われましたので少しは安心したのですが、もっと考え方を変えて雇用確保に取り組む必要があると考えています。
コロナで生活が厳しくなった方々は20人、30人ではありません。市の支援として発表するためにも、100人200人という規模での雇用を確保すべきと考えています。

 

幸い、県の交付金も使えます。県は、予算規模30億円程度で雇用数7,000人予定とのこと、そのうち、市町村事業が20億円なので約4,600人が市町村分だろうというのは月曜の本会議での経済部の答弁です。単純に4600人を人口割りすると100人強となります。
また、使わない市町村があるかもしれません。そうしたらその分も飯塚市で使わせて頂いてはどうですか。

 

必要としている職場も結構あると思います。例えば、児童クラブや、小中学校、保育所等に、アルバイトがなくなった学生さんを市からの派遣として働いて頂いてはいかがでしょうか。

児童クラブも保育園も通常は人手不足で悩んでおられます。
児童クラブでしたら、子ども達の学習支援もできるでしょうし、遊び相手としてもぴったりだと思います。
学校のICTの支援は、市内29校にICT研究指導員が3名だけと月曜の本会議での答弁でありました。国のGIGAスクールサポーター配置支援は4校に2人となっており、ここにも学生の活躍する場がありそうです。
困っている方々に何か、それぞれが得意なことで働いて頂こうと考えたら、もっと仕事は出てきます。

 

是非、そうやって欲しい。また、その時に、兼業をOKにして頂きたいのです。

 

例えば、スナックやライブハウス、トレーニングジムを経営している方、働いている方がおられます。そういった方々が本業がしっかり回復するまでに市役所で副業をしながら生活する。兼業がOKでしたら、そうやって生活を維持できるかもしれません。
ちなみに人口がそんなに変わらない別府市は、兼業OKで、500人の雇用確保を打ち出しています。
ぜひ、生活や事業が厳しくなった方々が、なんとか耐えられるように、強力に支えて頂きたいと思います。

 

 

3点目は、61号、補正予算1号に含まれている事業継続応援給付事業と、事業継続応援貸付事業についてです。市の事業者への応援はこの2本が主なものとなっています。

 

しかし、市独自の融資制度である事業継続応援貸付事業については、借りれるお金が法人300万円個人事業主150万円までと、国県の制度を利用する場合より低いために、あまり利用されないのではないかと心配しています。

 

他方で、事業継続応援給付事業は、国県の融資制度を利用する方に30万円の応援金をお渡しするものですが、残念ながら、今月末までに融資の申し込みをされた方に限定されています。事業者の中には、今月中の融資申し込みが厳しい方もおられるとお聞きしています。

 

事業継続応援貸付事業から、事業継続応援給付事業の方へ、予算を流用してでも、30万円の応援金の締切を延ばして頂ければと思います。

 

以上、3件、耳の痛い意見も述べさせて頂きましたが、最後に、今までの自然災害とは全く違う、何もかもが経験してなかったことばかりの中で、市民生活を懸命に支えて頂いている事に対し、市長をはじめとする行政の皆様に感謝申し上げ、私の討論とさせて頂きます。

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今回は、討論の冒頭で話しているように、「賛成なんだけど、ここ注意してくださいね。」という感じの討論です。

反対の時に、なぜ反対なのかしっかり考えていただくための討論が木曜日のブログで書いた討論ですが、そういう時だけではなく、討論を行う一例ですね。