飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

原子力発電からの脱却に関する意見書

飯塚市議会は、今日の本会議にて、原子力発電からの脱却に関する意見書を採択しました。同じ様な趣旨の意見書も含めて、双方とも全会一致。期限を定めた上で原子力発電からの脱却を行うべきとの趣旨です。この原発については賛否両論あるのは承知していますが、一旦事故が起こった場合の影響を考えると、脱原発とすべきと考えました。
以下に意見書の全文を挙げます。


原子力発電からの脱却に関する意見書

 2011年3月11日に生じた東日本大震災により、東京電力福島第一原子力発電所が事故を起こした。結果、高濃度の放射能漏れという最悪の事態に発展し、多くの対策がとられてきたが、現在も事態は全く改善されることなく、未だに収束していない。
 この状況を受け、福島県の住民は避難を強いられており、危険な環境の中、不安を抱えながら現在も過ごしていることは、多くの報道を通して明らかにされている事実である。
 他方、飯塚市は、現在佐賀県において再稼動に関する議論がなされている九州電力玄海原子力発電所から、わずか75キロしか離れておらず、しかも風下に位置しており、福島第一原子力発電所と同様の事故が生じた場合、高濃度に汚染される可能性がある。
 つまり私たち飯塚市民にとって、福島での過酷事故は決して他人事ではなく、いざ玄海原発が事故を起こせば、飯塚市でも同じ状況が生じる可能性は否定できない。
 また、原子力発電所が絶対安全だという「安全神話」が崩壊したことは、内閣府原子力安全委員会斑目春樹委員長が、これまでの安全設計審査指針は間違っていたと明言されたことでも明らかである。
 今回の福島第一原子力発電所の過酷事故を教訓に、飯塚市民の未来に不安と危険を残さないため、エネルギー政策の抜本的な転換と、期限を定めた原子力発電からの脱却、そしてその期限に至るまでの期間において、福島第一原子力発電所で生じた過酷事故による危険を二度と起こさないように、原子力発電所の安全確保についての十二分な措置を新たに定めることが今必要である。
 よって国には、次の措置を講ぜられるよう早急かつ強く求めるものである。

                  記
1.期限を定めて原子力発電から脱却し、代替エネルギーに転換した新たなエネルギー政策を定めること。

2.原子力発電所の安全を確保するため、30年を超え高経年化している原子力発電所の運転の延長を認めないこと。

3.原子力発電所にかかる緊急時計画区域(EPZ)を初めとする安全基準の抜本的な見直しを図ること。

4.原子力発電所周辺の防災対策の確立を図るために、国の責任において地域の安全対策として、避難道路や避難施設等を早急に整備すること。

5.原子力安全・保安院は、より一層原子力発電所の安全の確保を図るため、原子力利用を推進する立場である経済産業省からの分離・独立ならびに権限強化を行うこと。
  
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。