今日の飯塚市議会、10時から私も所属する市民文教委員会が開催されました。
まず最初の案件は、「学校施設等の再編について」。その中では、穂波東中・平恒小・楽市小の3校が統合されて出来る小中一貫校について、抵当権抹消登記が遅れており、数ヶ月建築工事が遅れる旨の報告がありました。
当初の見込みでは今月には登記が終了、12月には工事契約が締結される予定でした。
現時点では開校等への影響はないと市側は説明していますが、ちょっと心配ですね。
また、他にも登記が飯塚市になっていない箇所等の処理について、期限を決めて早期に進めるよう、主張しています。
次は、「生活環境について」。バイオコークスの実証実験のスケジュール等が決まったことが報告されました。また浄化槽の補助金についての質疑があっています。
案件の最後は、「請願第12号 飯塚市立小中学校・普通教室へのエアコン設備完備に対する請願について」。
市側から資料の提出と説明の後に質疑へ。
その中では、全教室へのエアコン設置には約23億円、維持費には約1億円が必要であり、また耐用年数が13年なので14年目にはエアコン設備の更新(取り替え)に約4億円が必要となること、学校現場の意見としては、エアコン設置を急ぐ必要があると考える学校が16%、将来的に必要と考える学校が66%、必要がないと考える学校が19%とのことが、説明されました。
その後の質疑がなされた後、採決がなされ、反対多数で請願は不採択という結果となりました。
私は、
(1)健康面への配慮において、エアコンはないが扇風機が全教室に整備されている他、各学校の希望に合わせて冷水機や製氷機の整備等体感温度を下げるための取組がなされており、教室内での熱中症の事例がないなど、ある程度の効果を上げていること。
(2)市教委、市教委事務局、市長の3者が揃って、現在は小中一貫校の整備や耐震補強、給食の自校化等にかなりの投資をしており、現時点ではエアコンの整備まで行う財源がないと判断していること。
以上の2点を大きな理由として反対とさせて頂きました。
請願者の「大切なこども達をより良い環境で勉強させてあげたい」という思いも大変理解出来ますし、県内を見ても、エアコン設置に踏み切る自治体が増えてきたのも現実です。しかし、他方では学力テストの結果に見られるようにこの筑豊の持つ問題も確実に存在します。
私は、この請願を採択するかどうかを考えるにあたって、暑い日々が増えてきた→こどもが心配→エアコンをつけようと考えるのではなく、こどものために良好な環境をどう整備していくかという視点を大切にしました。
そして、暑さ対策だけではなく様々な事を併せて考えるべきではないか、そしてそのために限りあるお金をどのように工夫して最大限に利用するかを学校・保護者・行政が同じテーブルについて検討すべきと考えています。
聴くと、PTAの連合会からいくつかの要望が上がってくることもあると言うことですが、保護者個人個人の思いを取り上げて検討する場がなさそうなのも現実です。
そして他方では学力の問題が残っているのも現実です。
小中一貫校の整備では、屋根を平屋根から傾斜のある屋根にしたり壁の作り方に工夫をしたりしながら、少しでも温度を下げる工夫をしているそうですが、他の学校についてはそういった施設面での工夫はされていない様子です。そう考えると、まだまだ工夫と現状把握が足らないのではないかと思っています。
例えば、各学校には学童保育所が併設されています。ここは夏休みもこども達を預かる関係上エアコンがついています。
じゃあ、学校の普通教室を使って学童をすれば、その教室分はエアコンが整備されるよね。それを低学年の教室を使えば良いんじゃないとか、そんな考えは浮かんできます。
同じこどものための施設を別々に整備するより、その費用を上手く使って質を向上させることができるのではないでしょうか。
もちろん、学校運営上必要な対処も出て来るでしょうが、それでも効果的な方法だと思います。
また、先日見たあるテレビ番組では遮熱塗料を中東の砂漠の国に売りに行く企業が取り上げられていました。また別の番組では植栽と水を上手く使って温度を下げる取組も放送されていました。このような取組を地場の民間企業の方々を含めてやっていくこともできるでしょう。
そんな工夫をもっともっとすれば、それも学校・保護者・行政が同じテーブルで話が出来れば、保護者の方も安心して頂けるのではないでしょうか。
今回の判断にあたり、自分でも学校の先生だったり保護者の方にご意見を確認させて頂きました。他の議員もどこどこ学校にいったとか、こんな人に聞いたよとか、現場を見る努力をしています。
私も小学校1年生のこどもがいます。同じ保護者の思いに諸手を挙げて賛成したい、そっちの方が楽かもという思いもありますが、このような視点で私たち議員が判断していることも知って頂けると幸いです。