飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

2月臨時議会閉会。コロナ対策決まるも・・・

今日は、臨時議会最終日。議案2本を可決し、報告事項1本を終わらせ閉会しました。

その中で、討論をしましたので、今日はその紹介を。

おおよそ、下の原稿をベースにお話しました。


議案第1号 令和2年度飯塚市一般会計補正予算第13号について、賛成の立場から討論を行います。


本予算案は、新型コロナウイルス感染症対策に要する経費及び体育館等建設事業に係る継続費を補正するものです。

コロナ対策、もちろん必要です。体育館の計画変更、しかたないでしょう。

ただ、その使い道はどうでしょうか。困っている方にきちんと寄り添っているのでしょうか。市の仕事として最善だったのか、いくつか問題点が見えてきます。

まず1点目は、それぞれの事業について、十分な検討がなされたのかという点です。

一つ一つの事業の目的、内容、目指す成果、費用などは十分吟味されているのでしょうか。

必要性や緊急性、市が行うことの妥当性、手法の実現可能性、費用対効果などを詰めていき、この事業に予算を計上すべきか、するとしたらどの部分の金額をどの程度認めるか、しっかり検討されているのでしょうか。

何が課題で、どう解決しようとしているのでしょうか。
実現しようとしていることに社会のニーズはあるのでしょうか。
ニーズがあっても、税金を使って公共がやるかどうかは別物です。
さらに、公共の中でも、国がすべきか、県がすべきか、市町村がすべきかしっかり見極めなくてはなりません。
そして、最後に解決の手法が正しいのか、ホントにうまくいくのかを考えなくてはなりません。


自宅待機買物困難世帯支援事業費を例を挙げます。

 

この事業は、新型コロナウイルスに感染した自宅待機中の世帯のうち、親族等の援助が受けられない在宅生活に係る支援が特に必要な世帯に対し、 在宅生活を継続できるよう買物代行及び生活の維持に必要な食料品等の給付を行うもの」であり、
買物代行 を週2回利用することができ、
(嗜好品を除いた) 食料品や日用品等を買ってきてもらえます。

 

買物限度額は、単身世帯3,000円、一人増えるごとに1,000円加算、
支援期間中、大人用紙おむつ5,000円、乳児用紙おむつ3,000円、乳児用粉ミルク3,000円を1回利用可となっています。
買い物代行手数料52万円、自宅待機買物困難世帯支援給付費118万円の総額170万円の事業です。

 

ぱっと見ただけでは、あ~自宅待機で困っている方おられるよね。こんな事業大事だねと思いますが、よくよく考えると、これでいいのかと疑問が涌いてきます。

 

例えば、よく言われる標準世帯、夫婦二人子ども二人の4人世帯を考えて見ます。
一回の買い物で買ってきてもらえるのは、3000円+1000円×3人で6千円。
1週間で、1万2千円の買い物をしてもらえます。

ただ、4人家族なので、1人あたり一週間3千円となります。一日三食と考えて、全て食費とすると? 1回の食費はわずか143円です。
結構厳しいですね。
給食費は小学生が238円、中学校が287円です。

 

単身世帯でやっと中学校の給食費と同じ額になりますが、ほっともっとの一番安いお弁当はのり弁当は、330円。一日三食のり弁も食べられないんです。
栄養付けよう、果物食べようと思っても、買えない。そんな金額です。

 

私はタバコを吸いませんが、お酒は少し飲みます。でも、お酒もタバコも嗜好品ですので買ってきてもらえません。甘いもの欲しいなあと思っても、お菓子も買ってきてもらえません。お菓子も嗜好品だからです。そもそも、そんなお金の余裕もないのです。


私が陽性者だったら、自分でお金出すから申し訳ないけど好きなモノ買ってきて欲しいと言うでしょう。本当に買い物代行だけで良いのかもしれません。

 

また、今回、この事業は飯塚市一般財源から出され、国県の補助金はいっさいないということです。

 

他方で、国には、このような方々への補助制度があります。
都道府県等において、配食サービス等を実施している事業者等を活用し、お弁当等を届ける等により自宅療養中の方に対する食事提供に関する支援を行った場合に補助対象となります。
1食当たり1500円、飲料代及び配送費は別で、1日3食で、1日当たり4500円 となります。
また、補助上限額を超える部分については、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金の対象とすることが可能です。

 

今回の市の制度では、一食286円だったのが、国の補助事業を使ったら一食1500円。また、市の制度は、暖かいお弁当を食べられるのは週に2回だけですが、国の補助事業を使ったら、十分栄養に気を使った暖かいお食事を毎回届けることができ、それに飲み物も付けることができます。配送費も含め、コロナで厳しい飲食店の方々にすこしばかりかもしれませんが、仕事を出す事もできるかもしれません。

 

そもそも、この事業を行うべき主体は、保健所を持っていない、感染者の情報を持っていない市ではなく、保健所を持って感染者と向き合い対応を行う都道府県等です。

 

このように、詳細について検討した上で、自宅待機・自宅療養されている方々について、市が行うべきなのは、県に対し、急ぎ、この補助制度を使ってくれ、と強く要望する事だと私は考えます。

 

 

次に、医療提供体制維持協力医療機関応援事業費についてです。PCR検査実施医療機関新型コロナウイルス感染者(疑い患者含む)入院受入医療機関に対し、応援金を支給するものとして、

PCR検査実施医療機関 1医療機関に対し75万円
新型コロナウイルス感染者入院受入医療機関、重症患者用1床に対し300万円、中等症・軽症・疑い患者用1床に対し90万円 、

総額7800万円の予算が組まれています。

 

このうち、入院受入に対しては、国から、重症患者1床に対し1500万円、疑い患者を含むその他の患者1床に対し450万円がそれぞれ上限として直接補助されるのに加え、県も予算措置を行っています。

 

他方で、一般の医療機関の経営が厳しいとの声も聞こえており、そちらを支援すべきではないかと考えます。今回PCR検査をして頂いている医療機関に75万円ずつ出すように、「ワクチン接種をして頂いたらこれだけ出します。」などととすれば、ワクチン接種も早く進むのではないかとも思います。



次に飲食店応援事業費についてです。
この事業は、福岡県感染拡大防止協力金の対象となる飲食店・喫茶店に対し、従業員数に応じた応援金を支給するもので、 従業員数3〜4人だと10万円、5〜9人だと30万円、10人以上だと50万円 となっています。
その従業員数については、パートやアルバイトもカウントし、2月8日もしくは3月8日を基準日とするといいますが、そのような制度では、3月8日に掃除のアルバイトを10人雇っても10人以上の条件をクリアしてしまい、合法的な抜け道を市が用意することとなり、見直しが必要です。

 

また、今回対象となっている飲食店は、今回の緊急事態宣言の感染拡大防止協力金として、第1期分として最大138万円の申請が既に始まっており、早ければ来週中に振り込まれると言います。

また、第2期も第1期同様日額6万円、最大168万円の協力金を受け取ることができます。両方で最大306万円、それも1店舗あたりです。

 

他方で、この対象とならない色々な業種の方々が、自粛の影響を大きく受けています。例えば,飲食店でもお昼だけの営業のお店、ライブハウス、飲食店に食材やお酒などを卸す会社、おしぼり、タクシー、運転代行、本当に多くの方々の事業継続と雇用の確保も厳しくなっており、こちらの方への支援が急がれます。

 

5割を超えて売上が落ちている事業所には一時支援金が出されると言われていますが、こちらは1店舗あたりではなく、1法人、1事業主あたりとなるようです。

 

市がすべきなのは何か、国県がやっていないところ、国県の支援が薄いところで、本当に厳しいところにいち早く支援を差し伸べることではないでしょうか。

 

今回の飲食店応援事業費は予算書の上では、あくまで商工業振興費の負担金補助及び交付金としての議決となりますので、この予算の中でも、例えば、半額の5千万を協力金をもらえないお店の方々などへの支援に回す事も可能です。ぜひ、執行する前に、改めてどうすべきか検討して頂くことを強く求めます。

 

最後に、今回の補正予算では、医療機関への支援は7800万円、飲食店への支援は1億200万円と大きな金額が組まれているのに対し、生活が厳しくなっている市民向けの支援は民生費の372万8千円にとどまっています。また、陽性者の発生により学級閉鎖となる子ども達へのオンライン授業の実施のための予算も入っていません。

生活が厳しくなっている市民への支援の充実、突然2週間の経過観察となる子ども達の学びが止まらないようにするための予算措置などの対応を、急ぎ行って頂くことを求め、私の賛成討論と致します。