飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

戦艦大和のような市役所はいらない(11)「ホントにこのまま進めるの?市長どう考えている?」

今日のブログは、市役所新庁舎問題に関しての9月議会での一般質問の紹介シリーズの最後です。今までの議論を踏まえて、市長に「ホントにこのまま進めるの?市長どう考えている?」とお聞きしました。
 それではどうぞ♪
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【江口】
 今までいくつかあげたが、今後の市役所の仕事の仕方、未来の仕事のスタイルにあった庁舎が必要だと考えている。
 サービスの地域分散、コールセンター等の設置による家庭にいてのサービスの提供、そういった将来のサービス提供を考えたときに、今後、市役所本庁においてどのようにサービスを提供するのか。また支所、そして小学校単位等々のところで、どうやってサービスを提供するのか。
 それを全面的に見直した上で庁舎の規模、施設等の絵を描くべきであると考えている。
 そのことによって規模も縮小され、事業費の抑制にもつながる。そして、この将来像をしっかり考えるべきだということは、以前より数回にわたって一般質問を行っており、あなた方もその必要性については認めていたはずだ。設計発注の前にこの基本計画について改めて見直すべきだと考えるがどうか。
【庁舎建設対策課長】
 言われるとおり、いろんなサービスの形態を考える必要性がある。庁舎の建設と並行して、今後検討していくことといたしている。
 この庁舎が建設された際には現在のようなOA化の時代が来るとは予想ができなかった。OA化になり業務は確実でスピーディーになったが、業務・機材の増加等から旧飯塚におきましても現庁舎の建設の10年後に増築を行っているし、第2別館として旧税務署を買い取って利用している。駐車場も拡張している。
 将来のサービスの形態がはっきり分かれば、それにこしたことはないが、現段階では明確には見えないところがある。
 サービス形態が変わったとしても、本庁舎の設備規模等が大きな縮小が見込めるものではないと考えており、現状を基本に、今後の事情に応じて対応が可能な機動的、機能的な庁舎を目標に事業を進めていきたいというふうに考えている。
 事業費の抑制の問題につきましては、多くの意見が寄せられており事業費の抑制に努め、基本目標にも掲げている効率性、経済性の高い庁舎の建設に努めていく。
【江口】
 未来の姿が予想できない、明確に見えないと言うが、見る気があるかどうなのか。
 必要性があるということは認められている、しかし並行して行うということは、結局は先ほど確認したように17,800平方メートル、106億円の建物が建つわけだ。建った後でいくら仕事の見直しが進んで使う階数は減っても、8階建てをつくって5階までしか使いませんでしたねと、これで十分ですよとなっても、上の3階、6・7・8階は既に建設している。お金は当然払わなければいけない。
 先に見直しをすべきじゃないか。
 皆さん、そして市長、改めて今までの私と担当課長とのお話を思い出していただきたい。
 費用は100億円、同程度の規模の諫早市役所、飯塚病院と比較しても高額、さらに働く職員は減るのに、規模は4600平方メートル、3割も大きくなる。
 そして近くの立岩公民館は市役所同様、耐震基準を満たしておらず建て替えなどでも大きな費用がかかりそうなのに、一緒に建てて安くあげるということはしない。
 窓口との問題、セキュリティとの問題というお話があったたが、デパートに行っても、例えば遅い時間になったら、一番上のほうにある飲食店街は開いているけれど、真ん中の物販は閉っている。そういったものはいくらでもある。
 やり方次第だ。
 市民が不便と感じている支所と本庁、本庁と穂波庁舎の仕事の役割分担の見直しやコールセンター、小学校単位でのサービス提供という意見も先送り、市民サービスのために集約することも決めず、かといって空いている筑穂支所や穂波支所のスペースをさらに有効に使うこともこの計画中ではうたわれていない。
 ちょっと考えても、本庁になくても大丈夫と思われる部署はいくつか浮かんでくる。
 1つだけ挙げるとするならば電算室、何も本庁に置く必要はない。こういったことを検討しているという努力も見えてこない。
 将来の財政見通しについても、まだできていない。30億円という巨額の一本算定による削減、これに対する対応もはっきりしない。
 現在の基本計画は、現状の仕事、現状の市役所、現状の支所がベースになって、これをほとんどいじらずに、狭いし耐震基準を満たしてないから、そこだけやっぱり早くやろうよと、厳しく言うととりあえず建て替えようよというふうにしか見えない。
 今まであげたような問題を考えた上で、未来の仕事のスタイルにあった庁舎が必要なのに、これを放置してとりあえず建てようという、これが時代遅れと言った理由だ。
 仕事の見直しを先送りするということは、今までどおり、例えば支所でできないことは本庁に来てくださいということだ。合併してサービス向上どころか、サービス低下を招いている。
 そうではなく、まず第1段階でやらなくてはならないのは、以前のようにそれぞれの町役場で、今となっては支所だが、そこで合併前のようにすべてのことが解決できるようにすることだと考えている。
 まずこの第1段階については、庁舎をつくろうが、つくるまいがやらなくてはならない。そして次の第2段階では、近くにサービス拠点を整備する。
 先ほど小学校単位のという話があった。小学校に併設したり、地域の郵便局に併設したりしてよいと思っている。総合支所までいかないけれども、近くでちょっと便利な手続とかができると、そういったサービス拠点がほんとの少人数で構築をする。さらにはコールセンター等の設置により家庭にいてのサービス提供が行えるようにする。
 そんな3層、4層のサービス提供をいち早く作り、そのビジネスモデルを同じように合併してサービス拠点が遠くなったと不満を持たれている同じような自治体に販売をする。そのことで新たな権利収入を得る。
 また、例えば小さなサービスセンターを学校と併設することで、市民と児童生徒が交流ができたり、お互いに見守るといった意識が生まれたり、そういったことで地域の安全というのは向上するのではないだろうか。
 また小さなところに職員の張りつけることによって、地域地域に詳しい職員が育つことも期待できる。
 このようなことをやらずに、今までどおりの考えのもとで、「でかく、高く、時代遅れの戦艦大和のような」という例えを私はしているが、市役所をこのままつくるのかどうなのか。
 住民説明会中でも、「齊藤市長、民間出身ですよね。ぜひ、これは80億円じゃなくて50億円でやってくださいよ。どんな形でもいいです。その知恵を出すのが民間出身の齊藤市長の手腕だと期待しています。」という話があった。
 いま一度立ち止まって、その作業をやっていただきたいと思っているが、市長どのようにお考えか。
【総務部長】
 ご意見は賜わった。非常に貴重なご意見もあった。メリットもあれば、提案の中にデメリットもある。いろんなものを考えながら、私ども確実に進めてまいりたい。
 質問者の中でも建物の建て替え、これについてはあるべきだというふうな認識のもとに質問されていると思う。要は費用の問題、場所についてもここで適当であろうと、そういうご意見だと思う。
 要は費用の問題、将来負担の問題、それと住民の皆さんへのいろんなサービス機能、これについてはすべて検討している。
 メリットだけを述べればすべてできるし、それにはデメリットもある。
 私どもは戦艦大和ということは一切考えていない。必要最小限度の将来にわたって活躍できる護衛艦というものを想定いたしておりますので、そこのところご理解の程よろしくお願いする。
【江口】
 市長、同じお考えですか。
【市長】(この部分、発言のまま)
 質問者のご意見しっかり聞いておりました。ただ将来における役所の形というものが、どういうものかというものは、ほんとに今のIT、OA機器を含めてですね、ものすごい勢いで変化をしています。国のほうも番号制度というような、それぞれの個人の制度もできてるような流れの中で、どういうふうな設備がいいのかということを考えたときに、まだまだ変化の多い時代が来るんじゃないかというふうにとらえております。
 ただ、私が見てるのは、職員のスペースというのが今と、いま戦艦大和と言われるようにそんなに広い設備なんていうのは、職員1人のスペースとして要らないんですよ。
 何が必要かと言ったら、市民サービスをできる、さっき手当子育て支援の話がありました。そういうものや、また障がい者の方がレストランをするときのスペースというのは、多分普通の健常者の方がされるスペースよりも広くなると思います。広くないと動けないと思います。
 そういうことを考えたときに、市民のサービスがよくできる施設は広くしなければならないけれども、我々職員が使う場所というのはそんなに必要はない。今と同じでいいと思います。
 そういうことを考えたときにですね、先ほど話をいろいろと聞かせていただきましたけれども、諫早の例は非常に諫早はしっかりされていると、一度は見に行かないかんと思ってますし、飯塚病院との比較というのは、これは民間との比較であって、また病院と行政の建物というのは違うわけですから、そこと比較するのは私はおかしいと思います。
 そういうことを考えたときにですね、何が必要かということをいろいろお話しいただきましたんで、しっかりその意見を見させていただきながら進めていきたいと思ってます。
 やはり一番考えているのはですね、事業費の抑制、何のために今まで行財政改革をやってきたかわからんようなことでですね、ひとつのものを進めていくということはおかしなことでございます。
 職員もその辺はしっかり頭に入れながら仕事をしていると思っています。
 今後の我々の事業をしっかり見て、ご意見等を賜りたいと思います。よろしくお願いいたします。
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残念ながら時間切れでここまでで質問はおしまい。市長の答弁を私の聞いた限りでは、「ああ、このまま進むんだろうな」という感想を持ちました。「入札などで事業費の抑制は少しできるが、考え方進め方は見直しせず」と言うところでしょう。さて、市長の言葉、皆様はどう受け止められたでしょうか。
そして、このまま進めていいんでしょうか。