飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

予算案、賛成ですが・・・討論をしました!

今日は、3月議会の最終日。今回提出された請願を除き、全ての議案について、採決が行われました。
私は、その中で平成30年度一般会計予算について、討論をしています。

動画は平成30年度一般会計予算に関する委員長報告と討論採決など。


私が討論に立つのは、37分45秒から。討論のみを見たい方はコチラからどうぞ。


また、以下は、朝までかかって書いた討論の原稿です。ぜひ、ご一読ください。

議案第3号「平成30年度飯塚市一般会計予算」に関し、討論を致します。
まず、この議案に関して私は賛成であります。
しかしながら、諸手を挙げて賛成というわけではありません。


なにより心配なのは、飯塚市の財布の中は、大丈夫かという点、つまり財政状況は大丈夫なのかという点であります。
人々にとって健康が全ての基礎であるのと同様、市政運営にとっては、財政が健全でなくてはなりません。
しかし、1月に発表された最新の財政見通しでは、来年度から10年間ずっと赤字が続き、その平均の赤字額は年間約13億円です。その結果、いわば市の貯金とも言える財政調整基金と減債基金の合計額が、今年度末は149億円あるのに対し、2027年までの今後10年で、わずか19億円まで減少します。
その事を表すかのように、財政状況に関しての私の質問に対する行政経営部長の答弁は、「当時は想定できていなかった合併特例事業債の活用期限の延長や、事業計画の見直しによる実績の変化、普通交付税を取り巻く状況の変化などにより、基金残高は増加しておりますが、収支では赤字額が増加しており、大変厳しい状況となっております。」という答弁でした。


また、以前と比べて財政状況の厳しさが増しているのではないかとの質問に対して、行政経営部長は「非常に厳しい状況が少し強まっているのかなというふうには感じております。」と答弁されています。
付け加えて、100億円近くかかると言われる下水道施設や清掃工場、市営住宅の建替や水道管の布設替え、など財政見通しに含まれてないけれど、必要不可欠な大型公共事業が数多くあるのは、本会議での代表質問や予算委員会での質疑で明らかになっています。


施政方針には、【本年を「チャレンジ元年~未来に向けた挑戦の年」と位置づけ、行財政改革に着実に取り組み、健全な財政運営を図る】とありますが、健全な財政運営が図られているか、心配でなりません。
 今回の3月議会、この財政見通しに関する指摘が非常に多かったのは、その財政状況を心配する議員が数多くいる証しでもあります。


その点から、本予算案に賛成は致しますが、以下の3点について、問題提起をしたいと思います。
まず、第1点は、46億円の事業費を必要とする飯塚市新体育館建設基本計画であります。
今回は、新体育館の設計委託料4579万円の他、地盤調査委託料として1340万5千円、測量委託料として582万円の計6501万5千円、加えて、設計委託料の債務負担行為として1億0684万3千円の予算が組まれています。


この3月議会では、この体育館に関する予算、そして関連条例に関し、私どもは非常に悩みました。


確かに、計画のように新築したら、市民に喜ばれるのは、よ〜くわかっています。私としても、鯰田の議員としても、鯰田に移転してくるのは大賛成!と言いたいところです。でも、今の財政状況の中で移転新築していいのか、飯塚市の議員として心配なんです。


合併以降、市役所新庁舎や小中一貫校、浸水対策など大型公共事業が続きました。かなりお金使ったんです。体育館はできたけど、ほかに大切なことをしたいと思っても、お金がなくて、できなくなるかもしれません。福岡音楽大学を飯塚にという構想が発表されましたが、飯塚市として誘致しようにも、財政に余裕がないと、お金がないとできません。


今回、市は、移転新築の理由として、「鉄筋コンクリートの建物は60年くらいが寿命なので、昭和47年に出来た体育館は、改修しても20年もすれば建替えなければいけないから新築の方がコスパがよい。つまり(費用対効果)が良い。」からとも言っています。
しかし、その試算は明らかにされておりません。


財政、そしてその試算について、市長は、経済体育施設に関する調査特別委員会で、次のように述べています。
「財政シミュレーションを見て、非常に不安な状況もあるけれど大丈夫なのかというようなご指摘もありました。あのシミュレーション見ましたら、ご指摘ごもっともだと思っております。」
財政が大丈夫なのかという指摘はごもっともだと市長も言われているのです。


他方、「この体育館につきましては、先ほど説明しましたとおり、今、有利な起債が使用できる期間中に移転新築という形で実施することのほうが、財政的な将来にわたるメリットもあるということを、今後きちんと整理し、議会や、そして市民の皆さんにも見える形でお示しをしていきますので、今回の議案第20号につきましては、それに向けて一歩前に進めさせていただきますようお願いいたします。」と述べられています。
こちらでは、試算が出されていないことへの指摘があったことを受け、この点は急ぎ対応するので、議案については、可決していただきたいと言うお願いをされたわけです。


本来ならば、議会は、耐震診断の結果をしっかり確認した後に、移転新築と耐震改修や大規模改修などの選択肢を比較した試算を執行部に提出して頂いた上で、財政状況や体育施設のあり方を十分検討した上で、体育館を移転建て替えすべきかどうか、事業を進めるかどうか、決断すべきではあります。


しかしながら、平成33年度が活用期限の公共施設等適正管理推進事業債を体育館整備の財源としていること、あわせて市長が先ほど紹介したように、「有利な起債を使用して移転新築する方が、財政的な将来にわたるメリットもあるということを、今後きちんと整理し、議会や、そして市民の皆さんにも見える形でお示しをしていきますので、今回の議案第20号につきましては、それに向けて一歩前に進めさせていただきますようお願いいたします。」と述べていることから、一歩前に進める、この予算の成立については、賛成と判断させて頂きました。


ただ、この年度内には、耐震診断の結果も判明します。その耐震診断の結果が出た後には、市長が述べられているように、その移転建替のメリットを速やかに、議会・市民に示して頂き、議会・市民の十分な理解の元に、実際の予算執行、設計や地盤調査などの発注作業にあたって頂くよう、強く求めるものであります。


次に保育所認定こども園等の入所状況についてであります。先の福祉文教委員会に3月2日現在における平成30年度の保育所認定こども園等の入所内定状況についての報告がありました。
その報告によると4月1日の待機児童の見込みは188名に上ります。
 この待機児童の解消については、保育士不足対策として保育士修学資金・生活資金の貸し付け等の対策を取っておられますが、残念ながら、待機児童解消に至るばかりか、待機児童数の増も危惧される事態となっています。


この問題は,主に女性の雇用に直結する問題であり、先送りできるものではありません。対応が遅れれば遅れるほど、働きたいけど働けないこととなり、
雇用の妨げ、つまり市内居住者の所得の増加の妨げとなり、ひいては市内の経済活動、市の税収に対し、マイナスの効果をもたらします。


待機児童が残念ながら解消しない場合には、現在計画している新規の保育所の認可や公立保育所の延長保育の早期実現を図るだけでなく、政府や他市町村の待機児童対策等を参考に、受け皿の拡大・保育士の待遇改善等を含む市としての待機児童解消プランなどを作成し、急ぎ解消へ向けて対応すべきと考えます。


最後三点目は、ゴミ袋についてであります。
ゴミ処理費の中に、ゴミ袋の作成費用として、1億1047万3千円が計上されています。
この予算は、現状のくるくる巻いているロール式での予算組みとなっています。しかし、この問題に関しての9月議会での私の一般質問で、明らかになったのは、このロール式をスーパーなどで売っているビニール袋同様の平折り式(ガジェット式とも呼ぶそうですが)この方式に変更した場合、1枚当たり単価14円だったのが、8円と、42%以上安くなるという事でした。反対に考えると、ロール式は平折り式の1.75倍もの値段だと言うことであります。
今回の予算にこの価格差を当てはめると、1億1047万3千円の予算が、6312万7千円と、平折り式だったら4千700万円あまり安くなることになります。
それだけの差があるにも関わらず、引き続きロール式を採用した理由は、材質の問題と安全対策と言われましたが、材質については仕様書できちんと書き込めば解決する問題であり、安全対策については、9月議会で指摘したように、ゴミを出す人は、ゴミ袋を逆さまにして置くことは通常では考えられませんし、平折り式は、福岡市はじめ他の多くの市町村でも採用されており、ここまでの価格差を容認するものではありません。
合併して10年以上経つことを考えると、単純に考えても、約5億円の高い買い物を続けてきたのです。これ以上、この高価なゴミ袋を続けるべきではありません。入札前に再度、内部で検討し、速やかに変更すべき課題であると考えます。


以上3点に関し、私なりの考えを述べさせて頂きました。
本議案を審議した予算特別委員会における討論で、兼本委員は、賛成ではあるが、と述べた上で、福智町が図書館建設に際し、ふるさと納税等を活用しながら建設資金を調達した上で建設に踏み切った事を紹介しつつ、財政運営のあり方について問いかけました。
財政の健全運営は市政運営の基本であります。
私も本予算案については、賛成するものですが、先に述べたように財政見通しが非常に厳しいことから、指摘した3点については、執行前に再度、十二分に検討することを強く求め、私の討論と致します。


最後まで読んでいただきありがとうございました。あなたはどう考えますか?