飯塚市議会議員「えぐち徹」のつれづれ日記

飯塚市議会議員えぐち徹の足跡です。

6月議会閉会、注目の移動式観覧席は僅差で可決。定数は元の28人へ。

今日、6月27日、朝10時からおおよそ4時過ぎ?あたりまでかかって、全ての議案の処理を終え、6月議会が閉会しました。

 

一言で言うと、きつかった〜〜〜(^_^;) 調整や準備でへとへとです。

 

昨日もメルマガ書いたり、ブログを書いたりした後に、今回の議案について色んなことを調べたり原稿書いたり。おかげで睡眠時間は2時間くらい。この前、参考人できて頂いた大正大学の江藤俊昭先生が言われていたように、最終日の前は寝られないという状況でした。

 

そうやって迎えた今日の本会議、注目の移動式観覧席については、結果は15vs12の僅差で可決となっているものの、この類の議案としては異例の討論の多さでした。

 

その中で、私も反対の立場で討論しています。

 

今日は、その討論の原稿を紹介しますね。

 

議案61号 財産の取得(移動式観覧席) に関し、反対の立場から討論致します。

 

まず、1点目、
1)そもそもこの移動式観覧席について物品で発注することの是非についてであります。この移動式観覧席は、もともと工事に含まれていたものであり、壁に固定されていないとはいえ、各メーカーに豊富に在庫があって単に買ってくればよいものではありません。固定式観覧席と同一メーカーと委員会での市側の答弁がありましたが、そうであれば、工事請負契約に含める方が安くできることは容易に想像ができ、別に単なる事務用品、事務用家具としての入札には、違和感しかありません。
もし、工事の中に含めないのであれば、物品の購入ではなく、製造の請負契約をすべきだと考えます。
 


次に2点目
2)発注に至るまでの経緯が不自然であり公平な入札が行われたとは言えない。という点です。

 

体育館の建築工事等を審議した令和2年5月26日の協働環境委員会における、
吉松議員の
「外構工事を外したり、また入れたりと、いろいろ変更をされておりますけれども、そのような見直しの判断は、いつ、どのような会議で行ったんですか。 」と言う質問に対し、
○建築課長 は、
「1回目の見直しに関しましては、1月23日に関係部課長会議で、建築工事の予算額の見直しではなく、外構工事や観覧席椅子の工事を建築工事から除き、刊行物単価と実勢価格との差を是正することを協議し、1月29日に業者選考委員会で決定いたしました。2回目の見直しは、3月9日の関係部課長会議で、外構工事や観覧席椅子を工事の中に戻すことを協議し、 3月27日の業者選考委員会で決定しております。」と答えられています。

 

また同日の川上議員の2億円の増額に関しての質疑に対し、
市長は、「この2億円の増額につきましては、先ほど建築課長が説明しましたとおり、1回目から2回目の入札のときに外していた分を、2回目から3回目のときに、外構工事それから可動式の椅子の工事等を含め、さらには労務単価や資材単価を実勢価格を調査する中でどうかということでの総額で、約2億円でございました。その辺の説明は聞きました。現状を考えたときに、そ の工事を中に含めなければ、本市として予定している期日までの完成も難しいというような説明もあわせて聞きましたので、この2億円の増額をし、発注するということについて、承認したところでございます。 」と答えられています。

一連の答弁を考えると、今回入札された移動式観覧席を含めて元に戻したと考えるの普通ですし、総務委員会でもそのように報告されたとお聞きしています。

 

また、同日の吉松委員の「コロナウイルス対策ということで、財政調整基金も取り崩すというような大きな財政出動がなされているときに、市民の優先順位という感覚からすれば、整備事業を延期するという選択肢もあるのではないですか。」
と言う質疑に対し、
○健幸・スポーツ課長 
「新体育館の建設に当たりましては、有利な財源を確保できていることから、事業を延期せずに工事を進めております。」、「公共施設等適正管理推進事業債の活用できる期限は令和3年度末までとなっております。令和2年度、3年度事業の出来高については起債の対象になりますが、令和4年度の分について は対象となりません。社会資本整備総合交付金の交付については、これまでも県、国に問い合 わせを行っておりますが、令和4年度まで工期が延びた場合について、都市再生整備事業は年 度ごとに請求を行う事業であるため、令和2年度事業までは交付されますが、その後について は答えられないとの回答でございました。」
と答えており、この答弁からは、公共施設等適正管理推進事業債を考えても、今回の移動式観覧席の発注は早期になされるべきであったのに、対象となるか不明な今年度まで遅らせたことは不自然であります。

 

 また委員会において城丸議員も質疑をされていましたが、令和2年5月の段階で既にこの移動式観覧席を発注することを決めているのだったら、その段階で発注できたはずです。それなのに、工事が進んだ今年5月の入札にしたことで納期が守れない恐れがあると言った理由などで13社の指名競争入札のうち10社が辞退することとなっています。

 

また、市は特定のメーカーの製品を前提としているがこの製品にとの指定はしていないと言いますが、仕様書には、鋼材(部品として使う材料)の指定や、サイズ、重量などについて非常に細かな指定があります。建築関係の方にこの仕様書を示してお聞きしましたが、この点を考慮すると事実上1社の製品にならざるを得ません。実際、この点について、鋼材の指定を外して頂きたい、重量の指定を緩和して頂きたいと言う業者側からの質問/要望に対し、市側の回答はできないとなっています。

 

特定のメーカーとしていないのであれば、重量については上限を示すだけですみます。鋼材について指定する必要はありません。3000席の観覧席を確保するために必要な席数、例えば500席以上の席数と、倉庫の大きさを、床がどれだけの重さに耐えられるかだけを指定すれば良いのに、これだけ細かい仕様書を書けば、1社の製品となり、競争性は制限されます。

 

また、永末議員の質疑にもありましたが、工事の設計協議の中でこの移動式観覧席の仕様は決まっています。そしてその仕様書は工事に参加した業者は入手可能となっています。つまり、一部の業者がこの仕様書を知り得る立場にあり、情報の入手という点で差が出たことが容易に考えられ、入札の公平性に疑問が生じています。

 

また、今年度に入って市は、指名業者2社より見積もりをとったと言われましたが、どこの会社からかと言う質疑に対し、非公開であり答えられないとしています。
入札の経緯を考えると、この見積もりを行った業者2社は、入札辞退をした10社であるはずがなく、応札をした3社のうち、2社と考えざるを得ません。

 

しかし、通常見積もりを取る場合には、今までの取引実績のある、実績の十分な会社より見積もりを取られます。

 

委員会に提出された資料を見ると、落札したグッドイナフ社の実績は、軽中量ボルトレスラック外21件で192万5千円、その他、児童生徒用タブレット端末の納入や修理、コピー用紙やファイル等の納入をあわせて、総額で277万円しかありません。

 

また、同じく辞退していない、S・Y社の市との取引実績は、ゼロ。もう1社の福岡ソフトウェアセンターは、市との取引実績は7200万円強と十分かのように思えますが、児童生徒用タブレット端末やノートパソコンの納入と公衆無線LAN整備となっており、今回の体育館の移動式観覧席に類似した実績はありません。
見積もりを取った業者が有利になることは、容易に想像ができますが、その見積もりを取る作業自体に、先にしめしたように実績が非常に乏しい、もしくは実績がない事業者から見積もりを取ることは非常に不自然であり、この点からも入札の公平性に疑問を持たざるを得ません。


 

最後に、3点目、
3)この契約を進めることの妥当性であります。
落札した会社が、飯塚市と取引した実績は、昨年度からで累計300万円弱だけです。工事の際には、受注実績などを含めランクがあり、入札に参加できる案件が決まります。市は、物品にはそういった制度はないと言いますが、今回受注した会社の体制を見ても、取締役が2名に社員が1名だけで技術職がいるとも思えません。今後の維持管理に関しての責任等を考えると7840万円と多額の案件を任せるには不適当と考えます。
またこの会社以外に入札に参加したあとの2社のうち、福岡ソフトウェアセンターは7千万円強の実績がありますが、飯塚市と福岡県が出資している会社で設立の趣旨を考えると市内の民間企業と物品納入契約を競うのは問題がありますし、残る1社は飯塚市との取引実績0円です。
その事を考え合わせると、契約として妥当ではないと考えます。

 

以上の、1)そもそも物品で発注することが妥当か。2)発注に至るまでの経緯が不自然であり公平な入札が行われたとは言えない。3)落札した会社を含め、応札した3社は同種もしくは類似の物品納入の実績に乏しく、契約相手として不適当と考えること、以上大きく3点から、この契約には反対です。

 

最後に、今回の入札について法的には問題がないという市側の主張があります。しかし、私たち議会が、契約の締結等について議決を行う際には、法的に問題がないだけでなく、その経緯や公平性についても妥当であるかを判断しなくてはなりません。
私たち議会は、市民や事業者に問題がないと自信を持って言えるときにだけ、議案を通すべきであると私は考えます。


協働環境委員会で、全会一致となっていることは同僚議員もミスしたと認めています。議員の皆様には、その点も再度ご検討頂き、一旦、この議案についてはストップして頂きたいとお願いし私の討論といたします。

 

以上です。お読み頂いた皆様、以下がお感じでしょうか。
この件については、明日以降、YouTubeを紹介したり、委員会資料等をホームページで見れるようにしますので、それもあわせてお考え頂ければ幸いです。



続いて、もう一つ注目されている議員定数について。

 

昨年9月に市民団体から「飯塚市議会の議員の定数を定める条例の一部改正を求める請願」が出され、議会運営委員会で3月まで審議を続けてきました。その結果、3月議会で、請願は採択されたことに伴い、この6月議会へ定数条例の一部改正案を同僚議員と共に提出していました。

 

また、令和元年7月の定数削減の条例案を提出された道祖議員が同僚議員と共に今回提出された「議員定数をはじめとして市民にとって最適な議会のあり方の検討に関する決議」と私たちの定数条例の改正案が、今日の本会議で議題となり、道祖議員他7名が提出した決議案は否決、24となった定数を元の28に戻す私どもの「飯塚市議会の議員の定数を定める条例の一部を改正する条例」については、賛成多数で可決となりました。

 

ただ、今回の議会の動きについては、市民からは何やってるんだと非難をされても仕方のない状況です。それを払拭すべく、選挙後には、市民との協議の元に、議会のあり方、議員定数の考え方について議論して行きます。

 

今日は、テレビ局が2局、新聞が4紙取材に入っておられました。今日、明日の報道を注視したいと思います。